製薬大手4社 研究費増など響き3社減益 17年4~12月期

 製薬大手4社の2017年4~12月期連結決算が2日、出そろった。研究開発費の増加や治療薬の特許切れの影響で、アステラス製薬など3社が最終利益を減らした。米国で販売が伸びた武田薬品工業は増益だった。

 アステラスの最終利益は前年同期比20.2%減の1426億円。特許が切れて後発薬と競合する製品を他社に譲渡したことから売上高が減少。海外企業の買収に伴い研究開発費が膨らんだことも利益を押し下げた。

 第一三共は、米国で麻薬性鎮痛剤の開発を一部取りやめたことに関連して損失を計上し、最終利益が17.7%減の726億円となった。欧米で特許が切れた高血圧症治療薬の販売が減ったことも響いた。がんなどの研究開発費が増えたエーザイは最終利益が26.8%減の281億円だった。

 潰瘍性大腸炎の治療薬を米国などで伸ばした武田は最終利益が2409億円で45.4%増えた。18年3月期の最終利益予想を、従来の1520億円から1573億円に上方修正した。