スシローが「変わり種競争」から降りたワケ 「すし」がマズいと行き詰まる (2/3ページ)

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 業界3位のはま寿司は、昨年12月、満を持して「北海道濃厚味噌ラーメン」の販売を開始した。これは16年に約2カ月で100万食以上を売り上げた「北海道白味噌ラーメン」を進化させたものだ。昨年10月には、同じく16年に100万食以上を売り上げた「荒節醤油ラーメン ~黒~」がメニューに復活した。はま寿司はラーメンに強みがあり、このほかにも複数の商品をヒットさせている。

 業界4位のかっぱ寿司は、好調な市場のなかで「ひとり負け」に陥っている。11年度以降、売上高は右肩下がりだ。悪化したイメージを払拭すべく、昨年はブランドのロゴを変更。長年おなじみだった「かっぱ」のキャラクターから、赤と金の皿を複数重ねた図柄へと切り替え、リブランディングを図っている。また、期間限定での「食べ放題」の実施や、1皿一貫を税別50円とする実験を行うなど、来店動機を上げる販促を行った。

 スシローとの提携を発表した業界5位の元気寿司は、「回転しないすし」の導入を進めている。タッチパネルで注文を受け、高速レーンですしを客に届ける仕組みで、握りたてを提供する。回転レーンにすしを流さないことで、廃棄ロスを減らし、売上原価率を向上させられる。この結果、ほかの大手回転ずしチェーンの売上原価率が45~50%程度なのに対し、元気寿司は40%強程度に抑えられている。姉妹ブランド「魚べい」などを含め、国内店舗の約6割で導入済みで、今後さらに増やしていく方針だ。

 ここまで記してきた通り、業界2位から5位の施策は、どちらかというとサイドメニューや販促の仕掛けであることが多い。そうしたなか、業界首位のスシローは、すし屋の本筋である「ネタ」で勝負することを宣言し、話題を集めている。

 スシローが注力する「高付加価値」のすし

 スシローは昨年11月、CSN地方創生ネットワークが運営する飲食店向けオンラインマーケット「羽田市場」を活用し、日本各地の海でとれる旬の天然ものを提供するプロジェクトを開始した。CSNは、羽田空港内で仕分けや加工を行うセンターを自社で運営し、そこを通じて産地から店舗へ一気に魚介類を配送している。市場などの中間業者を介さないため、原則、とれたその日のうちに店に届くという。スシローはこの仕組みを活用して、鮮度の高いネタを提供できるようになった。天然もののため、数量は限られ単価は高くなるが、「いいものを食べたい」と思う客を満足させることができ、新たな顧客の獲得が期待できる。

業界首位だったかっぱ寿司が業績悪化で苦しむ理由