【2018春闘】ヤマト 年労働48時間短縮への具体策議論

 ■夜間特化の配達員確保焦点

 宅配便最大手のヤマト運輸の労働組合は、働き方改革の促進を求める春闘要求書を経営側に提出し、春闘が始まった。昨年秋に労使で合意した2018年度の年間総労働時間を前年度より48時間短縮する計画を実行するための具体策を議論する。長時間労働の解消につながる夜間配達に特化したドライバーの着実な確保などが焦点だ。

 賃上げについては、定期昇給も含めて1万1000円、パートも時給40円の引き上げを求めた。

 18年度の計画でフルタイム雇用の従業員の年間総労働時間を2400時間と決めており、17年度計画の2448時間より短縮する。

 ヤマトが働き方改革の目玉として掲げる夜間配達に特化したドライバーの採用は、年初から一部地域で採用と試行運用が始まっている。19年度までに1万人超を確保すると打ち出しているが、物流業界では人手不足が深刻で、順調に採用が進む保証はない。

 親会社ヤマトホールディングスの芝崎健一専務執行役員は1月の記者会見で、採用に関して「だいたい計画に近い」と順調に進んでいると説明。「退社率が減っており、働き方改革が雇用にプラスに作用している」と強調した。

 17年春闘では大口顧客との契約を見直し、荷物量を抑制することで妥結した。その後、大口法人顧客約1100社との値上げ交渉を進めた結果、約4割が他社に移ることになった。昨年10月以降、宅配便の取扱個数は前年を下回る水準で推移している。