農産品に高付加価値と高機能性 ハッピークオリティー/サンファーム中山

HappyQualityの宮地誠社長(左)とサンファーム中山の玉井大悟社長(右)ら=静岡県袋井市
HappyQualityの宮地誠社長(左)とサンファーム中山の玉井大悟社長(右)ら=静岡県袋井市【拡大】

 高付加価値、高機能性の農産品を安定的に生み出すとともに、生産ノウハウを他の大規模農園に伝授することで、日本の農業の活性化を促したい-。こんな目標に向け、農業物の販売や企画を手掛ける、Happy Quality(ハッピークオリティー)の宮地誠社長が奔走している。生産を手掛ける関連会社で農業法人サンファーム中山の玉井大悟社長ら農業技術者とともに、両社が本社を置く静岡県袋井市のハウス農場では日夜試行錯誤が続けられている。

 ◆安定生産へ技術確立

 「市場では高糖度、例えば糖度8%以上のトマトは高値で取引される。こういう高付加価値商品を安定的にまとまった量生産できる状態を目指したい」

 もともと青果市場の職員だった宮地社長は、市場が求める商品を目利きできる。しかし、実際に生産するのは難しかった。そこで、静岡大学大学院で学んだ農業技術者の玉井社長を招き、農業生産そのものに足を踏み入れることになった。

 「ここでは水と肥料だけでトマトを生産している。糖度は10%。この品質のものを安定的に生産していくための技術を確立する」

 大きなハウスの中に生い茂るトマトは、コンピューターにより気温や日照などの気象データを加味して供給される肥料と水だけで成長していく。

 最近はこの技術を応用したメロン栽培も本格化した。袋井のブランドメロン「クラウンメロン」は全国的に有名だが、同社はこれにさらなる価値を付加した「ドクターメロン」も創出している。

 「メロンはカリウムを多く含むが、腎臓疾患などでカリウムをあまりとれない人も多い。そこで、このメロンはカリウムを通常のメロンの半分に抑えた。これなら、疾患のある人もメロンが食べられる」

 ◆ノウハウをヨコ展開

 宮地社長らの挑戦はこれにとどまらない。いましきりに取り組んでいるのが、機能性のあるトマトの生産だ。特に注目したのは、抗酸化作用のあるカロテンである「リコピン」とリラックス効果が期待される天然アミノ酸の「GABA(ギャバ)」。これらの含有量がひときわ多いトマトを生産し、機能性食品の認定を受けようともくろんでいる。

 こうした取り組みは国や自治体からも注目され、経営革新計画をはじめとする多くの産業振興施策の対象にもなった。

 「ゆくゆくは、このノウハウを農園のフランチャイズチェーン(FC)化などの形でヨコ展開し、日本の農業を変えていく。同時に、おいしい食材、誰もが食べられる食材の創出を通じて食べることの楽しさとともに、一家だんらんをサポートしていきたい」

 ハッピークオリティーとサンファーム中山の両社が軸になって進めるイノベーションが、農業に新風を吹き込んでいる。

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【会社概要】Happy Quality

 ▽本社=静岡県袋井市小山1317-1

 ▽設立=2014年2月

 ▽資本金=100万円

 ▽事業内容=農産品の流通販売、研究、流通業者や農業者向けコンサルティングなど

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【会社概要】サンファーム中山

 ▽本社=静岡県袋井市小山1317-1

 ▽設立=2015年11月

 ▽資本金=100万円

 ▽事業内容=トマトやメロンなどのハウス栽培、出荷、研究開発