【ベンチャー支援の現場から】博報堂DYHD、屋外メディアなどの新技術開発

再開発が急ピッチで進む東京・渋谷。デジタルサイネージなどのインフラも強化され、新たな形の広告が成長する可能性も高い
再開発が急ピッチで進む東京・渋谷。デジタルサイネージなどのインフラも強化され、新たな形の広告が成長する可能性も高い【拡大】

 ■外部の英知取り入れ競争力強化

 博報堂DYホールディングスは、ベンチャー企業と手を組みサポートしながら、共同で革新的な技術開発を推進するため、公募型共同開発プログラムの実施に乗り出した。対象となるのは、デジタルサイネージなどの屋外メディアや交通系メディアを通じて新たな発見や体験を提供する「屋外空間ソリューション」など3テーマだ。英国では2012年のロンドン五輪を契機にデジタル化が一気に進み、20年の東京五輪に向けて日本でも屋内外問わず同様の効果が期待できることから、早期の実用化を目指す。

 残り2テーマは、商業施設や小売り店舗での購買体験に新たな気づきや発見を生み出す「店舗空間ソリューション」と、家庭内での生活者の行動を踏まえナビゲーションすることで生活者に新たな発見や体験を提供する「住空間ソリューション」。博報堂ではこれらにかかわる技術を、「生活動線系メディアテクノロジー」と定めている。

 屋内外を活用した広告は古い歴史がありながら、デジタル広告をめぐる技術開発が激しいため新しい領域ともいえる。こうした中で競争力を高めて存在感を発揮するには「外部の英知を取り入れて展開することが必要」(マーケティング・テクノロジー・センター)との考えから、今回のプログラムに至った。

 具体的には3月から審査に入り4月に企業の選定を行い、実証実験の計画を立案していく。6月末のプレゼンテーションを経て企業を最終的に採択。実験の遂行やサービスの開発、業務提携などを行う方針だ。

 屋外メディアは渋谷や銀座などの交差点沿いのビルに設置された大型看板が代表的。しかし、歩行者は常に変わるため、本来であれば時間帯に応じて異なる広告を流す手法のほうが効果は大だ。

 東京都内では再開発が相次いでおり、大型デジタルサイネージのインフラ整備が進む。また、IoT(モノのインターネット)の進展に伴い、住宅内でも新たなメディアが台頭するのは必至なだけに、博報堂は今回のプロジェクトを通じて高度な広告戦略につなげる。