ITベンチャーなど、子供見守りサービスで開発競争 GPSやICカードで保護者に通知 (2/2ページ)

Qrioの子供見守りサービス用キット。ランドセルなどに取り付ける発信機(左)、玄関などに設置する受信機(中)。保護者のスマートフォン(右)のLINEに通知される
Qrioの子供見守りサービス用キット。ランドセルなどに取り付ける発信機(左)、玄関などに設置する受信機(中)。保護者のスマートフォン(右)のLINEに通知される【拡大】

 西條晋一社長は「帰宅したことが確実に分かる点が、共働きの保護者に最もアピールできるポイント」と話す。

 GPSで現在位置確認

 GPSによって位置を確認できるのがソフトバンクの「みまもりケータイ4」。子供を守る安心な製品として日本PTA全国協議会などが推薦商品に認定している。現在位置を確認できるほか、学校など指定したエリアへ出入りした場合、メールで通知される仕組みで、防犯ブザーを操作すると、自動的に保護者の携帯端末に知らされるほか、現場に警備員が出動する。

 交通系ICカード「パスモ」と「スイカ」で自動改札を通過すると保護者の携帯端末に利用駅と通過時間が通知されるのが、JR東日本とセントラル警備保障が共同で展開する「まもレール」。昨年10月にサービスを開始し、春までに東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の244駅で利用できるようにする。

 人手不足と女性の社会進出に伴って共働き世帯数は2016年が1129万世帯と、5年間で14%増加している。ただ、子供の安全対策に関する満足度は決して高くない。

 セントラル警備保障の調べによると、子供の安全対策や見守りについて、「十分できている」「まあまあできている」と回答した働く母親は約半数だった。一方で「あまりできていない」「ほとんどできていない」という働く母親のうち「仕事や他の育児で忙しく時間がない」と答えた人は5割にのぼり、仕事と子供の見守りに課題を抱えている実態が明らかになっている。