【フロントランナー 地域金融】秋田銀行能代支店・岩谷優里さん(1)


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 ■投資初心者の不安を解消する営業

 「貯蓄から資産形成へ」という流れの中で、運用商品の保有顧客の裾野を広げることは金融機関にとって大きな課題だ。しかし、運用経験のない顧客からは「損をするのが怖い」「初心者には難しそう」「面倒そう」といった声が聞かれることも少なくない。こうした不安を払拭する営業活動によって多くの新規顧客を開拓しているのが、秋田銀行能代支店の岩谷優里さんだ。

 岩谷さんは能代支店の営業係を担当。ローカウンターテラーとして窓口での営業活動を行いながら、個人先への訪問活動も行っている。

 営業エリアには投資初心者が多いため、運用に関する不安を少しでも取り除いて、資産形成に役立つ提案を行うことに注力。アプローチの際には、すぐに具体的な商品説明を行うのではなく、預金だけ保有していては金利メリットを得るのが難しいこと、お金をためる目的を明確にすること、預金と並行して運用を行い着実な資産形成につなげることを念頭に置いてアドバイスを行っているという。

 投資初心者へのアプローチで、岩谷さんが重視しているのが、普通預金口座のみに大きな金額を預けている顧客や、長期間資金移動のない顧客への声かけだ。まず、「何かお考えがあってご預金を置かれているのですか」と声をかけ、今後の資金使途をヒアリング。そのうえで現在、不満や悩みがないかといった話題につなげていく。

 利回りに不満はあるが、運用商品での資産形成には不安があるという顧客には、預金だけの場合と、運用した場合の資産額を電卓を使って試算しながら説明。実際に金額の違いを見せることで運用メリットをイメージしやすくするとともに、預金だけで保有し続ける場合のデメリットを理解してもらっている。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp