店を運営する、オノデラコーポレーション専務(コーヒー事業部責任者)の小野寺靖忠氏はこう話す。同社はカフェの店名に、それぞれ次の思いを込めた。
グループ名の「アンカー」とは、船が停泊時に降ろす錨(いかり)という意味だ。気仙沼市外で以前から展開する北古川(宮城県大崎市)、佐沼(同登米市)、岩手川崎(岩手県一関市)の店は、「フルセイルコーヒー」(満帆の船の意味)の名で運営する。開業10周年を機に本店を「アンカーコーヒー マザーポート店」に変え、それ以降にオープンした店名は「マザーポートコーヒー」とした。こちらは、お客さんの“母港”になりたい思いからだ。東京・赤坂には「コーネルコーヒー」という店もあり、コーヒー好きに向けてさまざまなイベントを開催している。
震災後、5店舗から10店舗に倍増
小野寺氏がコーヒー店を始めたのは2005年。海外で過ごしたコーヒーのある生活が忘れられず、「ないものはつくればいい」と考えたことがきっかけだった。
地元の県立気仙沼高校を卒業した同氏は、米国ミネソタ大学に留学して卒業後、欧州での就職を経て、27歳で気仙沼に帰郷した。家業の海産物・船舶漁労機械の輸出入に関わり、米国北西部でイワシの買い付けを行っていた。それと同時にシアトルを中心としたコーヒーショップの研究を本格的に始める。学生時代を過ごしたミネアポリスには独自のコーヒー文化が根づいており、故郷でもカフェ文化を根づかせたいと考えたからだ。