LNG“地産地消”で本格軌道 福島・新地町、復興と持続可能なまちづくりを推進

 東日本大震災の被災地・福島県新地町が進める復興と持続可能なまちづくりを一体的に進める事業が本格軌道に乗り始めた。町内の液化天然ガス(LNG)基地から供給を受けたガスを使いコージェネレーション(熱電併給)システムで電気と熱を生産、地元で消費する。エネルギーの効率利用と町の活性化を同時に進める狙いで、このほど官民一体でつくる新会社も設立。今秋から事業に乗り出す。

 同町は大震災で震度6強の揺れと10メートルを超す大津波で、全面積の約5分の1が浸水。630世帯の家屋が全半壊するなど甚大な被害を受けた。復興の目玉の一つに据えるのが昨年11月に町内に完成した「相馬LNG基地」だ。

 国内最大級のLNG受け入れ施設で、23万キロリットルものLNGを貯蔵可能なタンクや気化施設などを整備。現在、2基目の建設が進められている。ガスはパイプラインを通じ福島、宮城、山形、新潟の各県へ供給されるが、一部は途中で分岐して同町内でも活用される。

 具体的には、町の中心部のJR新地駅周辺の一定区域を指定したうえで「地域エネルギーセンター」を建設。コージェネレーションシステムで、パイプラインからのガスを使い発電と熱供給を行う。

 主に、交流センター▽複合商業施設▽農業施設▽ホテル▽温浴施設-などで利用。中心部の活性化につなげるとともに、エネルギーの効率利用で持続可能なまちづくりを実現する。

 センターを管理・運営していくため、同町や石油資源開発、NECなど12の自治体・企業・団体が2月15日、エネルギーサービス会社「新地スマートエナジー」を設立した。出資額は5000万円で、同町(出資比率51%)のほか石油資源開発(同14%)、京葉プラントエンジニアリング(同8%)などが参画する。6%出資するNECは得意のITを使い、電気や熱を効率的に制御して省エネルギーに貢献する。