【生かせ!知財ビジネス】AI使った商標検索・出願に挑戦


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 ■cotobox・五味和泰社長に聞く

 独自の人工知能(AI)技術を使った商標の検索・出願サービス「Cotobox」を昨年11月に発表したcotobox(コトボックス、東京都千代田区)。自分の考えた商標について、登録可能性のある商品・サービス区分をインターネットで誰もが無料で確認でき、わずか4カ月間でユーザーアカウントは1000件を超える勢いだ。弁理士でもある五味和泰社長に聞いた。

 --ユーザー登録は好調のようだ。

 「手軽に、簡単に、とりあえず、という顧客ニーズがあることは分かっていた。アカウント登録すると細かな区分画面が現れ、選択していくと出願費用が表示され、商標出願の注文、クレジットカード支払いまでできる。いろいろネーミングをして入力で遊ぶこともでき、情報だけ取得してもらってもいい。売り上げ面はこれからだが、β版であり、課題を見つけては随時改良している」

 --なぜこのサービスを開発したのか

 「2014、15年に米国のロースクールへ留学した。現地の若い法律家はフィンテックの次はリーガル分野だと考え始めており、自然言語処理の活用、事務や定型業務の自動化、書類のデジタル化は、結構早く実現しそうだという感覚を持った。AIを使って商標を扱うという発想は、米国にもなかったので先に挑戦した」

 --AIで弁理士は不要になるのか

 「特許庁への手続き代理は弁理士と弁護士だけできる業務であり必要だ。現状、(AIは)顧客の事業と関係のない商品・サービス区分も検索してくる。商標分類は細かく、その選択は素人には難しい面もある。提携弁理士が精査するプランを用意して対応しているが、顧客自身で絞り込める表示機能などの検討も必要だろう」

 --今後の展開は

 「いずれプラットフォーム化し、情報提供のところで価値を付けていきたい。例えば、このシステムでは特許庁へ弁理士が出す書面を自動的に生成する仕組みになっており、後方事務も料金決済も自動化している。弁理士はデータを見て商標内容のチェックに注力できる。また、他のシステムと簡単につなぐことができ、知財業界に限らず、さまざまなサービスとの連携で多くの可能性があると思う。もちろん、ゆくゆくは海外にも出ていきたい」(知財情報&戦略システム 中岡浩)

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【プロフィル】五味和泰

 ごみ・かずやす 早大卒。企業勤務などを経て、2015年南カリフォルニア大大学院(LLM)修了、はつな知財事務所設立、16年cotobox設立し、現職。弁理士。44歳。神奈川県出身。