続いて訪問したのは、大塚家具の銀座本店から歩いて10分ほどの匠大塚の日本橋ショールーム。オフィスビルの一角にあるため、まずは所定のフロアで受け付けを済ませ、担当者とともに上のフロアに移動する。希望すれば、その担当者がフロアも案内してくれる。
オフィスビルということもあってか、大塚家具の銀座本店以上に人影はない。
しかし、そこには「高級家具かくあるべし」という世界が広がっていた。いかにも高級そうなソファやテーブル、大皿、置物、蒔絵の衝立(オーダー可)、いわゆる昭和の嫁入り三点セットと言われた整理箪笥、衣装箪笥、鏡台などなど。大塚家具のシャンデリアは「これどうやって拭き掃除するんだろう」と思ってしまうようなモダンでおしゃれなデザインのものが多かったのに対して、匠大塚では「ザ・シャンデリア」とでも呼称したくなるような、万人が思い浮かべる高級シャンデリアがこれでもかと並べてあった。
一体、イマドキ誰が買うんだろうと思ってしまう「昭和を感じる品々」も多数あり、「この親父センスを久美子氏は嫌がったのか」などと邪推してしまうが、ブランドが顧客に提案したいイメージは明確で、見て回るだけでも非常に面白い。特徴的なのは、匠大塚ブランドが前面に押し出されているものの、メーカーの名前はよく見ないとわからないぐらいに控えめであったことだ。大塚家具ではブランドが数多く並び「あとはお客様が選んでください」というメッセージを感じたが、そんな陳列とは対照的だ。