武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長は5日、買収を検討しているアイルランドの医薬品大手シャイアーについて、全株式の取得を想定していると表明した。実現すれば、日本企業では過去最大の海外買収案件となる可能性がある。ロイター通信が、報道陣に非公開のアナリストとの会合の発言を伝えた。
シャイアーの企業価値は約480億ドル(約5兆1500億円)で、武田を90億ドル程度上回るという。武田が現金による買い取りか、株式交換などの手法を念頭に置いているかは不明。
日本企業による過去最大級の海外企業の買収としては、ソフトバンクグループが2016年に約240億ポンド(約3兆6千億円)を投じ、英半導体開発大手アーム(ARM)・ホールディングスを取得した例がある。
ウェバー氏は両社の規模の違いは買収の障害にならないと説明。一方、武田の債務が膨らむ恐れを指摘した。(共同)