【フロントランナー 地域金融】飛騨信用組合の電子地域通貨の取り組み(1)


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 ■飛騨高山地域で「さるぼぼコイン」

 岐阜県の飛騨高山地域をメインに営業を展開する飛騨信用組合が、スマートフォンアプリを活用した電子通貨「さるぼぼコイン」を提供している。

 「さるぼぼコイン」は、高山市・飛騨市・大野郡白川村限定(2018年1月時点)で利用できる地域通貨だ。国内での電子地域通貨の取り組みとしては、福島県の会津大学内を対象とした「白虎コイン」、大阪府のあべのハルカス内を対象とした「近鉄ハルカスコイン」など数々の前例があるが、自治体クラスに及ぶ広域流通の事例は珍しい。

 また、金融機関が手掛ける初の電子地域通貨でもあり、先進的事例として、業界内外から大きな注目を集めている。

 メガバンクではなく地域金融機関である飛騨信用組合が電子地域通貨の提供に踏み切った背景には営業エリアである地域経済の今後への危機感があった。

 岐阜県北部に位置する高山市は、隣接する飛騨市とともに古くから「飛騨高山」の呼称で親しまれてきた。飛騨高山は北陸新幹線の開業以降、富山駅経由でのアクセスが容易になったことも手伝い、近年、首都圏や海外からの来訪者を爆発的に増やしている。主要経済圏の高山市は国際会議観光都市に指定されており、豪雪地帯ではあるが、白川村の世界遺産「白川郷」の人気もあり冬でも客足は絶えない。

 伝統との共存が織りなす豊かな風情をたたえる飛騨高山は、大ヒットアニメ『君の名は。』や地元を題材にした小説『氷菓』の実写化など映像作品のロケーションとしても脚光を浴びている。

 だが、そんな飛騨高山も、地方都市に共通する大きな課題に直面している。住民の高齢化と人口減少、それに伴う地域経済の衰退だ。観光の好調をよそに産業全体では伸び悩みがみられており、地場の金融機関にとっては、営業基盤である地域経済の維持・拡大が命題となっているという。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp