【Sakeから観光立国】「世界のベストレストラン50」に日本酒初登場

フロンティア東条のメンバー
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 ■Asia’s 50BEST Restaurants2018

 □平出淑恵(酒サムライコーディネーター)

 数あるレストランの格付けやランキングの中で、「世界のベストレストラン50」は、いま最も注目されているレストランランキングの一つだ。この「世界のベストレストラン50」は、筆者がアンバサダーを務める世界最大のワイン審査会、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)と同じく英メディア企業、ウィリアム・リードが運営している。

 そのアジア版である「アジアのベストレストラン50」の2018年度授賞式が3月27日、マカオ最大のカジノ、ウィンパレスで行われた。このランキングは、国際的に活躍するフードライターや料理評論家、美食家ら「食」とレストラン業界に精通する300人以上のエキスパートで構成される「アジアのベストレストラン50アカデミー」による投票で決定する。

 6回目となった今回、1位は4連覇を果たしたタイの「Gaggan(ガガン)」。一方、日本のレストランは、過去最多の11店舗がトップ50入りを果たし、国別では最多のランクインだった。

 10位以内に入った4店は、2位の「傳」(東京・神宮前)、3位「フロリレージュ」(同)、6位「NARISAWA」(同・南青山)、9位「日本料理 龍吟」(同・六本木)だった。オフィシャルパートナーとなっている世界的に有名な企業のシャンパンやジン、ウオッカ、ワインが授賞式前後のパーティーで振る舞われる中、今回初めて日本酒の蔵元12社のグループ「フロンティア東条」がオフィシャルパートナーとして加わった。

 フロンティア東条は、1994年に結成された団体だ。兵庫県の山間部に位置する加東市の東条地区でとれる「東条山田錦」を用いて、最高級の日本酒造りを目指している。

 メンバーの一社、磯自慢酒造(静岡県焼津市)の寺岡洋司社長が旧知のシャンパーニュ「サロン」のオーナーと談笑している傍らで、日本酒のブースには、授賞式に出席した日本人シェフをはじめ、多くの世界的なシェフが訪れていた。

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【プロフィル】平出淑恵

 ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年、日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年、コーポ・サチを設立、社長に就任。世界最大規模のワイン審査会、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のアンバサダー。日本酒蔵ツーリズム推進協議会運営委員、昇龍道大使(中部9県のインバウンド大使)などを務める。