【2018春闘】大企業の賃上げ率2.54% 経団連集計

 ■首相要請未達も高水準

 経団連は25日、2018年春闘の月例賃金に関する第1回回答集計(13業種68社)を発表した。これによると大手企業で、働いた年数に応じて基本給が増える定期昇給(定昇)と、基本給の一律引き上げであるベースアップ(ベア)をあわせた賃上げの回答額は月額平均8621円、賃上げ率は2.54%となった。

 賃上げ率は安倍晋三首相が経済界に求めた3%には届かなかった。ただ、賃上げ額は1994年の8800円以来の高い水準で、政府が賃上げを呼びかける「官製春闘」が始まった2014年以降では最も引き上げ額が大きかった。

 経団連は、「月例賃金で3%を上回る賃上げで妥結した大企業もある。全体でも昨年、一昨年を上回り、賃上げの流れは継続している」と評価した。

 業種別の賃上げ率は、建設が2.92%(金額1万5445円)でトップ、次いで自動車が2.91%(9866円)だった。建設業は、東京五輪・パラリンピックのインフラ整備などの需要増を背景に業績が好調なことに加え、人手不足が深刻化しているため、賃上げで待遇改善を図ったとみられる。

 製造業の平均は2.56%(8302円)、非製造業は2.49%(9736円)だった。

 調査は東京証券取引所1部上場の従業員500人以上の主要企業252社が対象で、6月中に最終集計を発表する予定だ。