北海道・厚岸蒸溜所のウイスキー初出荷 地域活性化へ見学ツアーも (2/2ページ)

厚岸蒸溜所の立崎勝幸所長と蒸留器=10日、北海道厚岸町
厚岸蒸溜所の立崎勝幸所長と蒸留器=10日、北海道厚岸町【拡大】

  • 厚岸蒸溜所の初商品「厚岸NEWBORN」
  • 昨年12月、厚岸蒸溜所で行われた見学ツアー=北海道厚岸町

 北海道では余市町のニッカウヰスキー余市蒸溜所が有名で、所内見学で観光名所になっている。一般見学を想定していなかった厚岸蒸溜所にも希望の声が寄せられ、町内で道の駅を運営する第三セクターがツアーを企画。蒸留棟には入れないが、建物上部の大きな窓から内部を見て、ニューボーンの試飲もできる。

 農協協力で大麦栽培

 国内各地では地域に根ざした小規模蒸留所が個性的なウイスキーを造り、好評を得ている。堅展実業は、厚岸蒸溜所で造られた原酒のみを使うシングルモルトウイスキーを20年に販売予定。大麦やピート、たるの原材料を含め「オール厚岸産」の商品開発も目指す。

 協力に乗り出した釧路太田農協(厚岸町)は昨年、ウイスキー向けの大麦を試験栽培した。実った麦の一部は冷涼、湿潤な気候の影響で小粒だった。農協担当者は「大麦を乾燥する施設や収穫用機械も必要だ」とし、採算を考えながら今年も試験栽培を行うという。

 立崎所長は「ウイスキー造りの伝統は守りつつ、カキなど厚岸の特産品とも合うように品質を高めたい」と語った。