【フロントランナー 地域金融】飛騨信用組合の電子地域通貨の取り組み(5)

古里圭史理事
古里圭史理事【拡大】

 ■決済だけでなく集客・販促強化にも

 電子地域通貨「さるぼぼコイン」の機能の展望は決済だけにとどまらない。例えば、加盟店向けにはアプリを集客・販促強化に使ってもらうことが提案できる。GPSによるアクセス案内や、店舗付近にいるユーザーへ特売の通知を送るといった、特定顧客へのリアルタイムサービスの提供などだ。

 さるぼぼコインのアプリと電子地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」の開発会社アイリッジは、かねて位置連動対応のプッシュ型情報配信サービス「pоpinfо」を提供している。加盟店の集客・販促強化は、このpоpinfоによるアプリの機能拡充策の一つだ。

 飛騨信用組合がアイリッジとの協働を決めた理由の一つは、同社がマーケティングに強みを持つことだった。例えばpоpinfоを使えば、加盟店にはオーダーメードでマーケティング用のページ作成サービスなどが提供できるため、同組合としては決済手数料以外の収益も期待できる。古里圭史理事は「組合が集計したデータを基に『加盟店利用ベスト5』などランキングを発表し広報をバックアップするといった、加盟店向けのプレミアム提供も検討できるでしょう」と話す。

 さらに、古里理事は、電子地域通貨アプリとして普及した後は、“地元密着の生活アプリ”ともいうべき立ち位置を見据えた展開を期待している。

 「地元紙のウェブサイトなどで閲覧数が多い情報は『お悔やみ』『お誕生』などで、多数の人がアクセスします。アプリ上で、そうした注目度の高い情報や行政情報などを発信できれば『毎日使いたい』と思っていただく動機になります。便利な決済機能に加えて、いずれは『さるぼぼコイン』アプリを、地域の皆様が使う生活のプラットフォームのような形にしていければ」(古里理事)との考えだ。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp