
全日本空輸が4月に開設した訪日客向け情報案内サイト「JapanTravelPlanner」。旅程作成に加え、SNSなどのリアルタイム情報を表示させる機能も(同社提供)【拡大】
“上客”の囲い込みに向け、各社は独自色ある情報サイトの開設を活発化させている。
旅行大手JTBは日本マイクロソフトや経路案内ソフトを手がけるナビタイムジャパンと共同で2月下旬から、スマホ用アプリ「JAPAN Trip Navigator」の提供を始めた。人工知能(AI)を活用して利用状況を分析し、適切な呼びかけを行うほか、100通り以上の観光モデルプランを提示し効率的な周遊を促す。
日航はJRと連携
国内線でつばぜり合いを繰り広げる航空大手2社も整備を急ぐ。日本航空は3月、JR東海と連携して両社の観光情報を集約したウェブサイトを開設した。サイトから日航と東海道新幹線の予約もでき、地方に関心を持った訪日客を両社のサービスに誘導する。全日本空輸は行きたい観光地を選択すると、旅行プランを自動作成する「Japan Travel Planner」を開設した。
全日空は今後、自治体や観光協会、人気ブロガーなどと連携し、イベント開催、花の見頃などのリアルタイム情報を随時掲載して訪日客の地方誘客に向けて背中を押していく。担当者は「最新情報を集めていくことで、訪日客に選ばれるサイトに成長できれば」と話している。
訪日客のさらなる増加が見込まれる中、各社の観光情報サイトの差別化競争はより激化しそうだ。(佐久間修志)