トヨタ、試される総合力 新分野開拓は「生死を賭けた闘い」 (2/2ページ)

トヨタ自動車の豊田章男社長
トヨタ自動車の豊田章男社長【拡大】

 今年に入り、トヨタのサービス関連の動きは表面化している。1月には移動や宅配、ホテルなどさまざまなサービスに使える箱形の自動運転車両を米国で公表。サービス基盤の構築を目指し、米アマゾン・コムなどの有力企業5社と共同で20年代前半に実証実験を行うとした。また、4月には東京都の販社4社を来年統合し、新会社を拠点にカーシェアリングに乗り出す方針も明らかにした。

 ハイテク大手と競争

 これまでの事業の延長線上にはない新分野では、トヨタが培ったノウハウを十分に生かすことは難しい。しかし、豊田氏は「モビリティーサービスに関わる現場では、トヨタ生産方式に基づくオペレーションを導入する」と話し、サービス事業でも効率化の徹底などでトヨタの強みを発揮し、他のサービスとの差別化を図る考えを示した。

 ただ、自動運転やインターネットでつながる車(コネクテッドカー)を使ったサービスなどの次世代競争では、米アップルや米グーグルなどのハイテク世界大手が立ちはだかる可能性がある。豊田氏は「新たなライバルとなるテクノロジーカンパニーは、われわれの数倍のスピードで、豊富な資金を背景に新技術への積極的な投資を続けている」と危機感をあらわにした。

 トヨタが公表した19年3月期の研究開発費は1兆800億円。このうち35%を電動化や自動化などの次世代投資に振り向けるという。投資資金を継続的に捻出するためにも、“お家芸”である原価低減を地道に進める考えだ。決算の数字だけでは把握できない「生死を賭けた闘い」(豊田氏)は既に水面下で始まっている。(高橋寛次)