クラウドファンディングで募った資金で経営改善ノウハウのサイトを制作した阿部梨園マネジャー、佐川友彦さん【拡大】
農家の経営改善ノウハウを公開し、同業者らが自由に利用できるオンラインメディア「阿部梨園の知恵袋」が開設された。宇都宮市下荒針町の阿部梨園が昨年11月から「クラウドファンディング」で資金を募っていたプロジェクトで、まずは100件の改善事例を掲載。300件まで順次増やしていく。
同園は約50年続くナシ農家で、現在3代目の阿部英生(ひでお)代表(40)が経営。マネジャー、佐川友彦さん(32)と二人三脚でさまざまな業務改善を実行し、3年間で当初抱えていた問題の大半を解決した。
同業の仲間が同じ悩みを抱えているとして、業務改善の実践事例を公開して役立てようと、プロジェクトを企画。インターネットを通じて資金を募るクラウドファンディングで、12月末までに327人から計約450万円が集まり、当初目標額の100万円を大きく上回った。
「農業関係でない支援者も多く、プロジェクトの盛り上がりは想定以上で期待の大きさを感じた」と佐川さん。時間がなかなか取れない中、サイト作成に取り組み、改善事例500件から厳選した100件をまとめ、4カ月をかけて公開にこぎ着けた。
今後は、事例を300件まで増やす予定。情報公開と並行して、農家の経営実務に関するコミュニティーづくりにも取り組む。(松沢真美)