【トップは語る】Spectee AIアナウンサー、将来は人間並みに


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 □Spectee(スペクティ)代表取締役CEO・村上建治郎さん(44)

 --報道機関向けに2016年からSpectee(スペクティ)というサービスを提供している

 「会員制交流サイト(SNS)のツイッターなどの画像や文章を解析・収集して、『どこで火事が起きている』などのリアルタイム情報を提供するサービスだ。報道機関約130社のほか、地方自治体なども顧客だ」

 --サービス開発のきっかけは

 「東日本大震災のとき、テレビではなかなか現地の情報がわからなかった。一方で、ツイッターには現地の人の声や写真がどんどん入ってきて、現場のリアルがすごく伝わった。これをメディアとして活用できたらというのがもともとの発想だ」

 --昨年11月にはAI(人工知能)アナウンサー「荒木ゆい」を発表した

 「Specteeにニュースを読み上げる機能を追加したことが開発のきっかけだ。アナウンサーの音声10万件をAIが機械学習し、自然な読み上げができる」

 --特徴は

 「アマゾン・ウェブ・サービスの読み上げ機能『アマゾンポリー』と比べて、かなりなめらかに読むことができる。将来は人間が話しているのと区別がつかなくなるだろう。『東京の日本橋から大阪の日本橋に行きました』という文章でも、前半は『にほんばし』、後半は『にっぽんばし』という風に文脈で読み方を判断できる。人間は機械音声にストレスを感じるものだが、これはそうしたストレスを感じさせない」

 --荒木ゆいは栃木県出身の27歳という設定だ

 「日本人にはキャラクターが話しているという設定にすることでより受け入れられやすいだろうと考えてのことだ。今後は男性版、もう少し年配の男女のバージョンの開発も視野に入っている」

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【プロフィル】村上建治郎

 むらかみ・けんじろう 米ネバダ大理学部卒。2002年、ソニー子会社エー・アイ・アイに入社。シスコシステムズなどを経て、11年、IT企業コロタウンドットコム(現スペクティ)を創業、早稲田大大学院修士課程修了。東京都出身。