
自動車大手7社の連結決算【拡大】
自動車大手7社の2018年3月期連結決算が14日、出そろった。世界販売の増加や円安による輸出採算の改善で、営業利益はトヨタ自動車やスズキなど4社が前期を上回った。一方で、新車の無資格検査問題が昨年発覚した日産自動車とSUBARU(スバル)は減益となり、明暗が分かれた。
「顧客から評価を得てもっと伸ばすための入り口にようやく立てた」。日産の西川広人社長は決算会見で18年3月期の業績を気を引き締めた表情でこう評価し、主力の北米を中心に収益基盤の再構築に取り組む決意を示した。
無資格検査問題でリコール(回収・無償修理)費用を計上したことなどが響き営業利益は22.6%減となったが、トランプ米政権による法人税減税の恩恵で最終増益を確保した。
トヨタの最終利益は36.2%増の2兆4939億円と過去最高を更新。ホンダも初めて1兆円を超え、スズキも過去最高となった。
ただ、米国の減税効果は一過性とみられ、19年3月期は、東南アジアで稼ぐ三菱自を除く6社が正念場を迎える。為替が円高に振れる想定も利益を圧迫、6社が減益を見込んでいる。
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■自動車大手7社の2018年3月期連結決算
(売上高/営業利益/最終利益)
・トヨタ
29兆3795(6.5)/2兆3998(20.3)/2兆4939(36.2)
・ホンダ
15兆3611(9.7)/8335(▲0.9)/1兆593(71.8)
・日産
11兆9511(2.0)/5747(▲22.6)/7468(12.6)
・スズキ
3兆7572(18.5)/3741(40.3)/2157(34.9)
・マツダ
3兆4740(8.1)/1464(16.5)/1120(19.5)
・スバル
3兆4052(2.4)/3794(▲7.6)/2203(▲22.0)
・三菱自
2兆1923(15.0)/982(約19.2倍)/1076(-)
※単位は億円、カッコ内は前期比増減率%、▲はマイナス。-は比較できず