【高論卓説】青学、日本初の「シンギュラリティ研」設置 (2/2ページ)

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 弁護士や公認会計士といったこれまで高収入の花形業種もAIにとって代わられるといわれ、20年後には文系学部の仕事の大半がなくなるという話も持ち上がっている。

 そのため世界の教育は「文系・理系」という学問的区分にとらわれず、領域横断的な知識力と発想力を学生に習得させようとする文理融合型かリベラルアーツ(学士課程において、人文科学・社会科学・自然科学の基礎分野を横断的に教育する科目群・教育プログラム)などが主流になるといわれている。

 しかし青山学院ではさらにその先を見ているという。「AI関連のテクノロジーが進展していく中で、理系の技術者は目先の技術開発に目を奪われる。そうした中で、AIの進展が人間社会で何をもたらすのか、AIが人間の知能を超えるシンギュラリティという現象を本当に引き起こすのか。ビジネス社会の未来を予測することは非常に難しい。むしろどうなるのか分からないといった方がいいかもしれない。分からない問題、答えが一つでない問題を検討するというのは文系、社会科学系の学問の得意技。大学こそがこういう課題に挑戦すべきなのかもしれない」

 青山学院の三木義一学長はこう語る。

 シンギュラリティ研究所は言語とAIの関係を研究しているエリック・マクレディ文学部教授を所長に、法律、教育などの分野の若手研究者6人でスタートする。果たして大学のシンギュラリティを起こすことができるのか、その活躍が注目される。

【プロフィル】松崎隆司

 まつざき・たかし 経済ジャーナリスト。中大法卒。経済専門誌の記者、編集長などを経てフリーに。日本ペンクラブ会員。著書は多数。昨夏に『東芝崩壊19万人の巨艦企業を沈めた真犯人』を出版。55歳。埼玉県出身。