トヨタ、名誉職の大幅削減で統治力強化 「院政の弊害」投資家も問題視

トヨタ自動車の株主総会会場に入っていく株主たち=14日、愛知県豊田市(高橋寛次撮影)
トヨタ自動車の株主総会会場に入っていく株主たち=14日、愛知県豊田市(高橋寛次撮影)【拡大】

 トヨタ自動車が相談役・顧問など名誉職の大幅削減に踏み切るのは、車両の電動化や自動運転技術の進展に伴う業界の大変革期を乗り切るためにも、コーポレートガバナンス(企業統治)を強化する必要があるという判断からだ。14日の株主総会で豊田章男社長はトヨタグループの結束を訴えた。変革期への危機感に背中を押されるなか、外部企業との連携を積極化させるなどして総力戦で臨む構えだ。

 名誉職を減らす理由についてトヨタは「企業統治や意思決定のあり方をクリアにするため」としている。もともと相談役・顧問については開示情報が少なく、退任したトップによる“院政”につながるなどの弊害が指摘されてきた。海外投資家も問題視し、東京証券取引所は1月、名誉職の役割などの情報を開示するように上場企業に要請していた。3月には三菱UFJフィナンシャル・グループが相談役制度廃止を発表。トヨタの決断で見直し機運はさらに高まりそうだ。

 トヨタは間違いや遅れが許されない緻密な経営判断が必要とされる状況に置かれている。総会では株主から電動化や自動運転に関する質問が相次ぎ、トヨタは「未来の成長につながるビジネスの優先順位を上げる」(寺師茂樹副社長)との考えを示した。

 トヨタはグループ内外の連携も加速している。電子部品事業をグループのデンソーに集約する方向で検討すると発表し、ビッグデータを扱う国内ベンチャーや、東南アジアの配車サービス大手への出資も矢継ぎ早に打ち出した。

 豊田氏は総会で「100年後もトヨタという会社が存在し、世の中から必要とされるためには、厳しい戦いを生き抜く強さがなければならない」と強調した。(高橋寛次)