ポーラ、生涯勤務可能に 定年後再雇用の制限を撤廃 人生100年時代に対応

 ポーラ・オルビスホールディングス(HD)傘下のポーラ(東京都品川区)は14日、働き方改革の一環として、定年再雇用の年齢上限を撤廃すると発表した。多様な人材を経営に役立てるほか、社員の待遇を改善することが狙い。本人に意欲があれば生涯にわたり働き続けられる。化粧品業界ではファンケルも昨年4月に上限をなくしており、人生100年時代が到来する中、生涯現役社会に対応する動きが広がってきた。

 ポーラの定年は60歳で、現在は再雇用されれば65歳まで働ける。7月からは約940人いる全ての正社員を対象に年齢上限を撤廃。現在、再雇用で働いている社員約60人も対象に含む。ポーラの横手喜一社長は14日の経営説明会で「再雇用者には幅広い役割を担ってほしい」と述べた。

 またポーラは化粧品の販売委託先を育成するため、美容専門学校や短大、大学の新卒者が3年という短期間で店舗オーナーになれる研修制度を導入することも発表。来年3月の卒業予定者を対象に募集を始め、美容の知識やエステ技術に加えて社会人としてのマナーも教える。

 これまでは新卒者がオーナーになっても経験や知識が足りずに失敗する例があった。同社が若いオーナーを全面支援することでスムーズな世代交代を促す。

 このほか、オーナー向けの福祉制度も7月に拡充。月商1千万円以上のオーナー約220人を対象に、人間ドックの受診費用を同社が全額負担する。