まるで、素性を隠し、変装して自社の現場に潜入、会社の課題を発見するNHKのテレビ番組「覆面リサーチ ボス潜入」のようだ。
一方、ある大手居酒屋チェーンは、このシステムの導入に向けたトライアル(試験)で、アルバイト店員が「店にネズミがいっぱい出て困る」などとコメントに書き込んだ。まさにカイゼンにつながる絶好のチャンスだったが、この会社は「こんなことが経営陣にバレたら問題になる」と、導入を見送ったという。これこそブラック企業だ。
そもそも、このシステムは会社側が現場の不安やSOSを素早くキャッチし、働きやすい環境をつくることで、アルバイトの貢献意識を高め、生産性アップを目指すのが狙いだ。その結果、アルバイトの定着率や経営の安定性を高めることができる。
ただ、このシステムの導入を見送った大手居酒屋チェーンのように、そもそもホワイト化する気のない企業には変革のチャンスは訪れない。
槇副社長は熱く語る。
「(日本の全雇用者の)4割が非正規雇用という状況の中、アルバイト定着率の低さは経営の安定を損なう。アルバイト紹介大手はあるが、アルバイトを定着させるのが私たちの仕事。ホワイト企業でないと生き残れない環境を日本に作りたい」(大塚昌吾)