民泊届け出伸び悩み、簡宿増加 新法施行も営業規制や自治体条例が「壁」 (2/2ページ)

民泊を開業する際には、玄関などに「届出済」の表札を掲げなければならない=13日(写真は一部加工しています)
民泊を開業する際には、玄関などに「届出済」の表札を掲げなければならない=13日(写真は一部加工しています)【拡大】

 さらに、国が16年4月に簡宿営業許可の要件を緩和したこともあり、16年度の全国の新規許可件数は前年度比2.91倍の2390件に達した。

 早くも課題浮き彫り

 民泊参入を阻害している要因の一つに、自治体独自の条例がある。条例で民泊新法の規定に上乗せし、営業区域や期間の規制を追加。事実上の規制強化と受け止めて、届け出を断念した家主も多い。

 古民家や町屋、別荘の個人所有者から民泊運営の相談に応じている、宿泊予約サイト運営会社の担当者は「3月の民泊新法の届け出手続き開始後も、民泊より簡宿を選んでいる人が多い」と話しており、鳴り物入りで導入された民泊新法の課題が浮き彫りになった。(日野稚子)

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 ■住宅宿泊事業法(民泊新法)と旅館業法の施設の違い

 ≪民泊新法の民泊≫

 ・営業に伴う許可    自治体への届け出

 ・営業日数の制限    年間で180日以内

 ・消防用設備      原則必要(延べ床面積などで不要)

 ・住宅専用地域での営業 可能(自治体により異なる)

 ≪簡易宿所、旅館・ホテル≫

 ・営業に伴う許可    自治体の営業許可

 ・営業日数の制限    なし

 ・消防用設備      必要

 ・住宅専用地域での営業 原則不可