原発、政府方針の達成困難 再稼働9基目、九電・玄海の次見通せず

再稼働した九州電力玄海原発4号機=16日、佐賀県玄海町
再稼働した九州電力玄海原発4号機=16日、佐賀県玄海町【拡大】

 九州電力は16日、玄海原発4号機(佐賀県玄海町)を再稼働し、発電再開に向けた作業を続けた。同日午後11時45分、核分裂反応が安定的に持続する「臨界」に達した。新規制基準下での再稼働は、5原発9基目。次の再稼働は最短で1年半近く先だがさらなる遅れが確実な状況で、発電量に占める原発の割合を2030年度に20~22%とする政府方針達成はより困難になりつつある。

 九電の原発では唯一、再稼働するか廃炉とするかが決まっていない玄海2号機の扱いも焦点となる。

 最も再稼働に近い関西電力高浜1号機(福井県)は19年9月の計画だが、それまでに地元同意が得られるか見通せない。再稼働が長期化するのは経営が原発頼みの電力会社にとって想定外の事態で、電気料金が高止まりすれば消費者や産業への影響も出そうだ。

 原発の運転期間は東京電力福島第1原発事故後、原則40年とされており、玄海2号機は21年に運転開始から40年を迎える。原子力規制委員会が認めれば、1回に限り最長20年の延長が可能。ただ延長には、安全対策を厳格化した新規制基準に合格する必要がある。

 2号機の延長申請期限は20年3月と迫っている。しかし、新規制基準に適合させるには多額の安全対策費がかかる上、再稼働した3、4号機の出力がそれぞれ118万キロワットに対し、2号機は55万9000キロワットと規模が小さい。このため九電は2号機を運転して安全対策費を回収できるかどうか慎重に検討している。

 福島原発事故後、玄海1号機を含め全国で計6原発9基の廃炉が決定。6月14日には、東電が福島第2原発(同県楢葉町、富岡町)全4基の廃炉を検討すると表明した。