
※画像はイメージです(Getty Images)【拡大】
■ストレス社会には「しなやかな心で」
「柳に雪折れ無し」という言葉がある。柳の枝は雪がいくら降ってもめったに折れない。同様に堅いものより柔軟なものの方が、何かの圧力に遭っても、うまくいなして耐えられる。
ストレス社会で人間が心のバランスを保つ極意も、これに尽きる。日本生産性本部のメンタルヘルス研究所を創設し初代所長を務めた久保田浩也氏が、かねて唱えてきた点である。
同氏は話だけでなく、どうしたら弾力性に富む心ができるのか、具体的な方法を提唱してきた。1998年に生産性本部から独立して、現在も代表であるメンタルヘルス総合研究所(東京)を設けて、考案した「心の体操」がそれである。
体から力を抜きリラックスさせることと腹式呼吸を組み合わせた5分ほどの体操である。これまで企業や団体に出向いて講習会を開く一方、メンタルヘルス総研の事務所で、個人を対象に教えてきた。
久保田氏は82歳になり、このほど個人向け教室を無料講座に改めた。「私もいつまでできるか分からないので、無料にすることで、鬱病に悩む人たちに気軽に来てもらいたいと思ったのです」と語る。
鬱病になって、強度のふさぎ、不眠症、食欲不振などに陥った場合には、専門医の診察を受けて、抗うつ剤などの薬による治療が必要である。しかし「心をしなやかにする訓練をして、ストレスとうまく付き合うようにしなければ、完治しません」と久保田氏は言う。