【日立株主総会・詳報(2)】海外で増収、国内は「質」を追求 今後の見通しと理想型は (2/3ページ)

英アングルシー島で稼働中の原子力発電所。日立製作所が計画する新原発は、隣接地に建設される予定だ
英アングルシー島で稼働中の原子力発電所。日立製作所が計画する新原発は、隣接地に建設される予定だ【拡大】

 東原敏昭社長「米国の景気は活況を呈している。米国は『攻める地域』だ。中国も、一帯一路構想で海外展開しようとしているが、たとえばITを用いた医療サービスのニーズもある。中国は1兆円、当社の売上高の12%程度を占める魅力的な地域だ。また、アジア地域も伸びる。メコン地帯のタイ、ベトナム、ミャンマーで事業拡大を狙っている。インドもデジタル化が進む地域だ。欧州でもブレグジットの懸念はあるが、鉄道事業を伸ばせる。グローバル展開にますます力を入れないといけない。地政学的リスク、貿易戦争という言葉もあるが、常に先を読み、ワーストケースを想定してグローバル事業を拡大したい」

 --風力発電ビジネスで海外進出する考えは。(国内で)建設された400基のうち40%を日立が手がけていることは、評価したい。しかし世界では2万基、3万基と建設されている

 小田篤常務「現在、風力に注力しており、この3年間は国内で首位を継続している。台風、雷の多い日本の環境に適した『ダウンウインドウ型』という風車だ。こうした知見を活用して、洋上風力にも注力したい。台湾で国外初の受注を決めた。これを皮切りにしっかり受注活動を強化し、案件を取っていきたい。特に、アジアの台風地域に注力したい。OT(制御・運用技術)とITを融合させる当社の競争力を活用し、ロングタームで取り組む。幅広くソリューションを提供して収益性を高めたい」

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