
アリババの「支付宝(アリペイ)」を使って個人情報を登録した会員だけがスマホで決済できるスーパー=上海市(河崎真澄撮影)【拡大】
アリババ集団が手がけるアリペイは、中国を中心に世界で6億人以上が利用する巨大決済サービスだ。今春にもその“日本版”が導入されるとみられていたが、消費者の購買情報が中国に流出することを懸念する邦銀の協力を得られず延期された経緯がある。
日本では2015年秋に中国人向けサービスとして導入され、現在はコンビニエンスストアや百貨店、ドラッグストアなど5万店超まで加盟店を拡大している。
関係者は実証実験が成功すれば沖縄以外の交通機関にもこのシステムを売り込む。既存の自動改札をQRコード対応に改修する費用はかかるものの、中国人観光客を取り込めば沿線の消費活性化も期待できる。
ただ、現状でアリペイを利用するには中国で銀行口座を作る必要がある。アリババ傘下のアント・フィナンシャルは邦銀の口座と連動させ日本人が利用しやすいサービスの構築を目指すが、提携する銀行が現れない。
使い勝手がいいアリペイが日本で普及すれば、購買動向の分析や新商品開発など2次利用できる消費者情報をライバルの中国企業に奪われかねないからだ。
現金を使わないキャッシュレス決済比率は、中国の60%に比べ日本は18%(15年、経済産業省調べ)と出遅れている。メガバンクはQRコードの規格統一など対応を進めてはいるが、海外の巨大資本にどう立ち向かうのか、日本勢は明確な戦略を打ち出せていない。(田辺裕晶)