2019年春卒業予定の大学生らに対する、企業の採用活動が本格化する中、世界を旅してきた学生を対象とする「旅人」の採用が脚光を浴びている。旅を通じて身に付けたチャレンジ精神やコミュニケーション能力に企業が着目。合同会社説明会も開かれた。「旅人」を募集するのは中小IT企業中心に50社程度だが、旅行や人材派遣、飲食、ブライダル業など大手も関心を持っており、新たな採用の対象として広がっていきそうだ。
旅人に特化して就職支援事業「旅人採用」を始めたのは、リゾート地でのアルバイト派遣業のアプリ(東京都新宿区)と旅行関連イベントなどを手掛けるTABIPPO(タビッポ、同渋谷区)だ。「旅人」の定義は、新卒は1カ月以上、海外滞在経験があること。既卒は計3カ月以上の海外滞在経験か、10カ国以上を訪問したこと。留学経験などがあるカウンセラーがサポートし、各自の希望を踏まえて、企業とのマッチングを図る。
採用競争が激しさを増し、企業側は多彩な人材を採用する手段として旅人に注目。アプリの調査によると「自分の強み・やるべきことを理解して行動している」「周囲へ影響を与え、巻き込める」「社内外のネットワークが豊富」と評価は高い。