国内パソコン、法人向け中心に市場は復調 主要メーカー相次ぐ撤退

 「ダイナブック」ブランドで知られ世界シェア首位だった東芝のパソコン事業が約40億円でシャープに売却されることになった。かつて世界で存在感のあった日本の主要メーカーは海外勢に押され撤退が相次いだ。ただ国内市場は法人向けを中心に持ち直しつつあり、シャープは親会社の台湾・鴻海精密工業のノウハウを取り入れて復活を目指す。

 東芝のライバルだった日本メーカーもパソコン事業では辛酸をなめてきた。中国など新興勢力の台頭で価格競争が激しくなったためだ。「ラヴィ」のNECは、生き残りを目指して2011年に中国の聯想(レノボ)グループと提携した。「FMV」の富士通も18年にレノボと合弁会社を設立した。

 ソニーは「VAIO」ブランドで一世を風靡(ふうび)した時期もあったが、14年に事業を投資ファンドに売却し、VAIO(長野県安曇野市)として独立した。「プリウス」の日立製作所も07年に個人向けから撤退した。

 調査会社BCNの道越一郎氏は「海外勢とのコスト競争を意識しすぎて、日本勢は独自の魅力を打ち出せなくなった」と指摘。スマートフォンやタブレット端末が一気に普及したことも追い打ちをかけた。

 パソコンの国内市場は縮小が続いていたが、復調の気配が出ている。IT専門調査会社のMM総研によると、17年度の出荷台数は前年度比2.2%増の約1034万台で、18年度も前年を上回ると見込む。企業の買い替えが好調なほか、働き方改革による在宅勤務に伴う新たな需要も後押ししているという。

 シャープは今年10月までに東芝のパソコン子会社株式の80.1%を譲り受ける。シャープは「メビウス」ブランドを手掛けていたが10年に撤退した経緯があり、今回は再挑戦になる。戴正呉社長は18~19年度は国内展開を軸に立て直し、その後は海外販売も目指す考えだ。