
※画像はイメージです(Getty Images)【拡大】
世の中、意外に正確な理解を得ていないものが多い。最近、痛感する誤解の一つが官民ファンドをめぐる議論だ。日本政府が成長戦略の有力ツールとして打ち出してから5年余り、いまでは14の官民ファンドが活動している。誤解の一つが、中東などにみられる政府系ファンド(SWF)の日本版ではないか、というもの。これは国家がもうけを狙っているもので、わが官民ファンドとは全く性格が異なる。(大和総研副理事長・川村雄介)
日本の官民ファンドは、本来民間が頑張るべきだが、リスクが高く、長期間を要するのでなかなか手が出ない、しかし今後の日本経済の成長にとって非常に重要で政策的に大切だ、と考えられる分野を対象にしている。具体的には、インフラ事業の海外展開、日本文化の海外発展(クールジャパン戦略)、地域創生、革新的企業の支援・投資、農業の高度企業化、官民共同ファイナンスの促進等々、多岐にわたっている。
もう一つの大きな誤解が、官民ファンドはもうかっていない、あるいは逆に民業を圧迫している、という批判だ。とくに声高な批判が前者である。官民ファンドのほとんどが財政投融資資金という元本の償還確実性を求められる公金を原資とし、そうでないファンドも税金を元手にしているからである。