塩野義、処方箋なしで売れる一般用医薬品を海外展開へ まずは新興国でビタミン剤から

 塩野義製薬が、医師の処方箋なしで売られる一般用医薬品(OTC医薬品)の海外販売を早ければ今年度中に始める方針であることが3日、分かった。まず東南アジアでビタミン剤を発売し、売り上げ拡大を図るとともに製品の知名度を向上させ、将来は訪日外国人客の需要も取り込む考えだ。

 同社が自社製のOTCを海外で本格展開するのは初めて。子会社でOTCを製造販売するシオノギヘルスケア(大阪市中央区)が平成30年度から31年度にかけて、香港、台湾、シンガポールでビタミン剤を順次売り出す方針。

 シオノギヘルスケアは28年に塩野義製薬から分社化。解熱鎮痛薬「セデス」、総合ビタミン剤「ポポン」などを扱う。29年度の売上高は72億円で、将来は100億円規模にしたい考えだ。今年6月にはOTCの開発・販売でロート製薬と資本業務提携を結んだ。

 国内のOTC市場は、政府が市販薬による健康管理「セルフメディケーション」を推進していることや、訪日客需要などから拡大傾向にあるが、将来は人口減などにより頭打ちが懸念されている。

 一方、東南アジアでは市場拡大が続くとみられ、武田薬品工業は24年にビタミン剤「アリナミン」を台湾で発売したのを皮切りに新興国進出を強化。塩野義も同様に進出を図る。

 シオノギヘルスケアの平野格社長は「疾患予防や健康寿命への関心から、OTC需要は伸びると考えている。塩野義ブランドを広めたい」と話している。