
海底パイプラインを検査する自律運転型の無人潜水機(AUV)(イメージ)【拡大】
川崎重工業は5日、英北部スコットランドの海上試験場で、海底パイプラインを検査する自律運転型の無人潜水機(AUV)の実証実験を10月に始めると発表した。海上自衛隊の潜水艦建造に用いてきた技術を活用しており、2020年度の商用化を目指す。
開発中のAUVは、母船からのケーブルで遠隔操縦する従来機と異なり、自律的に動く仕組み。電池切れが近付くと母船から海中に垂らしたステーションに自動で戻り、充電と検査データの通信が完了すると再びパイプライン検査へと復帰する。一連の動きは昨年、実験を成功させており、今回はAUVのアームに接続した検査機器を海流の中で安定させる技術を確認する。
同社の潜水艦技術は世界最高水準とされるが、市場は限られている。
一方、高い水圧下で腐食や破損の恐れが付きまとう石油などのパイプラインは世界各地で拡大されており、自動で保守、点検するニーズは強い。