【終活の経済学】遺品・生前整理の極意(2)見積もり、お値段を知る

遺品整理を行なう作業員。丁寧に形見の品と不要品を分けていく
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 ■少しずつ荷物減らすのが一番

 「自分では整理ができない」「親が遠方で暮らしていた」といった際に頼りになるのがプロの遺品整理業者だ。この20年ほどのうちに、各地に遺品整理の看板を掲げる業者が登場している。業者との付き合い方を学ぼう。

 ◆金額は広さに比例

 ●遺品整理…21万4000円

 ●生前整理…20万7000円

 ●孤立死などの特殊清掃 +16万1000円

 遺品整理を業者に依頼すると、いったいいくらかかるのだろう。一般社団法人「家財整理相談窓口」は、加盟事業者を対象に料金に関するアンケートを初めて実施。2016年11月から1年間に受注した遺品整理などの金額を尋ねた。

 回答があった4社の作業実施件数は計272件。明確に「遺品整理」と位置づけた作業の平均額は約21万4000円、「生前整理」が約20万7000円。孤立死などがあった部屋を清掃する「特殊清掃」が約16万1000円だった。

 ◆事前の整理で安く

 いわゆる「ごみ屋敷」や、屋根裏作業といった特別な作業を除いたうえで部屋の広さごとに作業料金をみたところ、ワンルームや1Kで平均約7万円だった。2K、2LDKでは約15万6000円、3DK、3LDKで約20万5000円など、広さに比例して金額は上がっていることがわかった。

 同法人事務局の月川慶一さんは「やはり案件ごとで料金にバラツキがあります。なかには、利用者自身がある程度片付けてあったため料金が安いケースもありました。少しずつでも整理し、荷物量を減らすことが一番だと思います」と話している。

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 ■トラブル事例 悪質業者にご注意

 遺品整理業者を利用する人が増えるのに伴って、業者とのトラブルも増えている。

 国民生活センターは2017年3月28日、「遺品整理を頼むときは、複数の業者から見積もりを」と注意喚起をした。相談事例として紹介されたのは、こんな例だ。

 ◆30万円のはずが

 ・亡くなった父の家にある遺品を整理してもらうため、知人に紹介された遺品整理業者に電話し、見積もりを頼んだ。現地で待ち合わせ、最初は30万円くらいと言われたのに、次々と料金が追加され、合計で約160万円になった。見積もりだけのつもりだったが、結局その日に契約した。他業者と比べて高額だとわかったので、翌日、キャンセルしたいと電話したら、手付けとして支払い済みの5万円は返せないと言われた。(60代 女性)

 ◆作業途中で姿消す

 「身元」が不明な業者に依頼してトラブルになるケースもあるという。たとえば次のような内容だ。

 ・街中をトラックで巡回している廃品回収業者に声をかけたところ、勝手に作業を始められてしまい、法外な請求をされた。納得いかないので品物を返してほしい。でも連絡先がわからない。

 ・インターネットの業者紹介サイトを通じて依頼した。料金を先払いしたところ、作業を途中で放りだして姿を消した。電話しても通じない。

 同センターによると、家庭のごみである「一般廃棄物」処分の免許をもたずに違法操業しているケースが多いと考えられる。身元がはっきりして、連絡先がわかる相手に依頼することが大切だとセンターでは呼びかける。

 そのうえで「何を依頼したいのかを明確にして、複数の事業者から見積もりを必ず書面でもらい、内容や金額を比較したうえで契約書を取り交わす。業者側が大人数で威嚇することもあるので、契約の際は一人ではなく複数で対応することも大事。キャンセル料が発生することがあるので、契約前にいつから、いくらかかるのかも確認してほしい」と注意を呼びかけている。

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 次回は遺品整理現場のレポートです。(『終活読本ソナエ』2018年春号から、隔週掲載)