【高論卓説】AIと特許審査 発明の提案も可能、将来的には… (1/2ページ)

東京・霞が関の特許庁
東京・霞が関の特許庁【拡大】

 最近、人工知能(AI)に関する記事を目にすることが多いと思う。AIを使って新しいビジネスを始めたという記事はもちろんのこと、「AIで消える職業」なんていうテーマで論じている記事も多数存在する。それほどまでにAIを目にしない日はないというくらいである。さて、そんなAIができることといえば、分析や管理など多岐にわたるが、特許審査も例外ではないようだ。

 特許庁は、知財情報の活用を促進するために、特許庁で選定した民間の「知財インテリジェンスサービス(知財情報の分析サービス)」のリストを掲載している(https://www.jpo.go.jp/gijutu/ip-intelligence.html)。先日、その知財インテリジェンスサービスの中に、ゴールドアイピー(東京都千代田区、白坂一社長)が提供する特許審査シミュレーションシステム「IP Samurai」が掲載された(https://ipsamurai.jp/)と報じられた。

 従来にも特許の調査用のソフトウエアは数多くあった。その中には、自分・自社が取りたい発明の内容を入力フォームに入力すると、近い順からスコアリングして表示するというものもあった。

 このIP Samuraiが従来のソフトウエアと異なるところは、自分・自社が取りたい発明の内容を入力フォームに入力すると、特許取得可能性(新規性・進歩性)をAからDのランクで簡易に審査してくれる点、および、その発明の内容を自動で分解しどこに発明としての優位性があるのかを数字で示してくれる点にある。

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