剥離リスク低下で老朽インフラ延命 新塗料を四国電など開発

 高速道路や鉄道の鋼橋などを腐食から守り、補修時に重ね塗りするほど剥がれにくくなる塗料を四国電力グループと関西の塗料メーカー3社が共同開発した。温度変化の影響を受けやすく塗膜が厚くなると剥離のリスクが高まる従来品の難点を克服。老朽インフラの寿命を延ばす効果が期待できるという。

 開発した塗料は、昼夜の温度差から生じる塗膜の伸縮を小さくして、従来製品と比べて剥がれにくくすることに成功。四国電力グループの四国総合研究所(高松市)が2011年から研究開発に着手し、13年に大日本塗料、関西ペイント、神東塗料が加わり商品化にこぎ着けた。まず大日本塗料が8月上旬に販売を始める予定。

 鋼材の塗料は時間がたつと硬化してもろくなるため15~20年ごとに塗り直す必要がある。従来品は3~4回の重ね塗りで塗膜の厚さが約1ミリに達すると剥がれ落ちるリスクが高まるという。