いつまで続く「土用丑の日」商戦 国内漁獲2番目の少なさ、卸値高騰で大幅値上げも

土用の丑の日を迎え、焼き上げられるウナギ=20日、千葉県成田市
土用の丑の日を迎え、焼き上げられるウナギ=20日、千葉県成田市【拡大】

 「土用の丑の日」を迎えた20日、夏ばて予防に伝統のスタミナ食を味わってもらおうと、各地のスーパーは、かば焼きの商戦を繰り広げた。ウナギの卸値が高騰する中、手頃な価格で提供してきた外食チェーンでは、大幅な値上げに踏み切るケースも相次いでいる。

 成田山新勝寺(千葉県成田市)の参道では、立ち並ぶウナギ料理店からかば焼きの香ばしい香りが漂った。老舗の「川豊」はうな重を200円値上げ。それでも、店を訪れた自営業、松島孝徳さん(40)は「丑の日は絶対に食べる。少し高くてもしょうがない」と笑顔を見せた。

 絶滅危惧種に指定されているニホンウナギは、養殖池に入れる稚魚の不漁が続く。水産庁によると、2018年漁期(17年11月~18年5月)の国内漁獲量は8.9トンで、統計が残る1982年以降で2番目の少なさ。東京都中央卸売市場の統計では、5月のウナギの平均卸売価格は1キロ当たり5378円で、昨年同月の約1.3倍に上った。

 首都圏を中心に展開するスーパー「マルエツ」は、国産ウナギのかば焼きを1980円で販売。16年と同程度という。2000円程度だったうな重を今夏に500円程度値上げしたのは、定食チェーンの「大戸屋ごはん処」や和食レストラン「夢庵」。大戸屋の広報担当者は「提供を今後も続けるか不透明。水産資源保護の流れには、あらがわない」と話した。