▽続々と実験が始まっているセルフデリバリーロボット
自動運転によるセルフデリバリーに使用されているのは、フォードが提供しているような一般的な自動車だけではない。アメリカのスーパーマーケット大手クローガー(35州で2800店舗を展開)は、シリコンバレーを拠点とするロボット開発企業ニューロと提携、小型専用車による食料品の無人配送実験をこの秋開始する計画だ。
ニューロの自動運転車「R-1」は高さ約1.8メートル、幅は一般的なセダンの半分ほどで、最高時速は約40キロ。屋根に設置されたセンサー、レーダー、カメラを使って目的地へ向かう。到着すると顧客にアプリやメッセージなどで専用コードが送信され、それを入力すると自動運転車のドアが開き、食料品が取り出せるという仕組みになっている。
ちなみにニューロを創業した2人の技術者は、グーグルで自動運転車のプロジェクトに携わっていた。
スカイプの共同創業者が2014年に立ち上げたスターシップ・テクノロジーズも、セルフデリバリーロボットを開発する新興企業だ。カリフォルニア州マウンテンビュー所在のクラウド会計ソフト会社インテュイットの本社で、従業員に食品やオフィス用品などを配達する実験を行ってきたが、今年4月末、アメリカとヨーロッパの企業および大学に、大々的に導入すると発表した。