□NEC社長・新野隆さん(63)
--来年は東京五輪・パラリンピックのプレ大会やラグビーワールドカップといった世界的大会が開かれる
「五輪本番に向け、顔認証をはじめとする当社の画像認識技術をアピールする場にしたい。既に入国管理やエンターテインメントなど多様な分野で商用化されている。顔や虹彩(こうさい)、静脈、耳伝導などいろいろな生体認証技術を組み合わせる形で活用が広がるだろう」
--生体認証技術を成長の核と位置付けている
「『セーフティ事業』として、今後3年間に海外で2000億円の売り上げが目標だ。直近ではロンドン警視庁から犯罪事案管理システムの受注に成功したが、人工知能(AI)と組み合わせ、交通機関や行政サービスの効率化に広げたい。国内でも広げられるはずだ」
--今春、海外事業部門のトップに米ゼネラル・エレクトリック(GE)日本法人の元社長を招いた
「事業部門のトップに外部人材を登用したのは初めてだ。組織として機能するか心配だったが、問題意識を共有し、私のやりたいことを進めてくれている。以前の海外部門は販売だけを担っていたが、『製販一体』の構造に変革し、判断の迅速化と収支の透明化を図っている」
--稼ぎ頭だった国内通信会社向けが厳しい
「確かに基地局投資は減っているが、今が底に近い。現状で利益を出せる体質に効率化し、今後増えるであろうソフト面の投資も取り込みたい。また通信会社以外のニーズ、例えば、信頼性が高い工場内無線ネットワークの構築などに当社の技術を横展開していく」
--今年度、3000人の早期退職を募る
「これ以上の削減は念頭にない。2020年度までの中期計画は売上高3兆円、営業利益率5%が目標だが、これはグローバル成長のスタートを切るための必達目標だ。これに並行して、次の目標へ向けた投資も進めていく」
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【プロフィル】新野隆
にいの・たかし 京大工卒、1977年NEC入社。金融ソリューション事業本部長、執行役員常務などを経て2012年に副社長兼CSO(チーフストラテジーオフィサー)兼CIO(チーフインフォメーションオフィサー)、16年4月現職。福岡県出身。