AIで省力化、電力料金を安価に 業界の常識に一石、パネイルのクラウド型基幹システム (1/2ページ)

低料金で電力・ガスの販売を手掛ける「PinT」の設立を発表するパネイルの名越達彦社長(左)ら。PinTに、パネイルが電力流通RPAソリューションを納入した=4月24日、東京都千代田区
低料金で電力・ガスの販売を手掛ける「PinT」の設立を発表するパネイルの名越達彦社長(左)ら。PinTに、パネイルが電力流通RPAソリューションを納入した=4月24日、東京都千代田区【拡大】

 電力自由化に関連して、さまざまなベンチャー企業が生まれたが、太陽光発電による売電などは多くの企業が事業化している。こうした中で異彩を放つのがパネイル(東京都千代田区)だ。同社が人工知能(AI)とビッグデータを活用して独自開発したクラウド型電力小売り基幹システム「パネイルクラウド」は、これまでの電力業界の常識を変えようとしている。

 同システムは、人が介在することが当たり前だった顧客管理や需給管理、電源調達の分野で、AIによる省力化を実現。これを軸に営業活動や請求処理など、川上から川下に至るシステムを一貫して構築した。極力人手をかけずに電力流通に関する業務をクラウド上で実行し、販売管理費を大幅に削減することで電力料金を安くしている。

 パネイルクラウドの実効性を高めているのがビッグデータの活用だ。パネイルは全国7地域に100%子会社の電力小売り事業者を持ち、顧客管理や需給管理、電源調達などの経験をデータとして蓄積してきた。

 さらに、データ連携を簡単にする技術仕様「API」も公開して、電力事業の新規参入者にもパネイルクラウドを利用しやすくしている。

 2011年の東日本大震災の後、再生可能エネルギーに注目が集まったものの、名越達彦社長は再生エネを支えるサービスがないことに気付き、12年に太陽光発電の施工価格比較サイトを立ち上げた。しかし14年秋、九州電力に太陽光発電の系統接続申し込みが殺到し、接続を保留した「九電ショック」が起こり、業績は悪化。資金繰りに窮する事態に陥った。

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