JR山田線、初の試験走行 東日本大震災で津波被害、来年3月再開

JR山田線の不通区間を試験走行するディーゼル機関車=21日午前、岩手県釜石市
JR山田線の不通区間を試験走行するディーゼル機関車=21日午前、岩手県釜石市【拡大】

 JR東日本は21日、東日本大震災の津波により不通となった岩手県沿岸部を走る山田線宮古-釜石間(55.4キロ)の一部区間で、初の試験走行を行った。9月末までに駅舎など主要施設の工事を終了、来年3月23日に運行を全面再開する。

 宮古-釜石間は線路が計約8.5キロにわたり流失したため、JR東は線路をかさ上げしたり、新たに敷設したりしている。試験走行は線路の耐久性を確認するのが目的で、通常の車両より重いディーゼル機関車を使用して大槌-釜石間(12.3キロ)を走行。今後は徐々に距離を延ばして、9月中に全区間を通して試験走行を行う予定だ。

 再開後は、宮古-釜石間を挟んで北リアス線と南リアス線を運行する県の第三セクター「三陸鉄道」に運営が移管され、久慈-盛間が「リアス線」と路線名を変えて結ばれる。

 この日は機関車1両が速度を変えながら、橋梁などの強度を確かめた。JR東日本盛岡支社の小林宏基設備部長は「三陸鉄道にしっかりと引き渡せるよう安全第一で取り組みたい」と話した。