【トップは語る】京葉流通倉庫 若手・女性の積極活用で人手不足解消


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 ■京葉流通倉庫社長・箱守和之さん(66)

 --埼玉県に本社を構えているが、なぜ「京葉」という社名なのか

 「神奈川県出身の父親が倉庫業と荷役業で起業したとき、千葉・神奈川を拠点として東京市場を開拓しようと思ったことから、前身の会社を京葉海陸運輸と名付けたと聞いている。そのとき埼玉の地理に詳しい同業の知人がいたので、埼玉県戸田市に本社を置くことになった。のちに『埼玉なのに京葉ではおかしいので社名を変えよう』と提案されたが、結局このままでいいのではないかという意見が多く、現在に至っている。今では幅広く3PL(サードパーティー・ロジスティクス=物流アウトソーシング)事業を手掛けている」

 --具体的にどのような業務を請け負っているのか

 「例えば出版社のコアビジネスである書籍の企画と編集以外の、受注から取り次ぎまでの業務を受託している。とくに少部数の印刷・製本に力を入れ、現在700点を超える書籍が書店で販売されている。ほかに食品製造工場を運営して、食品メーカーからミックスナッツなどの製造を受託し物流も引き受けている」

 --流通業界ではスピードアップへの要請が根強い

 「情報システムに注力することで要望に応えている。専門要員が8人いて、自社でシステム開発している。外注していると対応できなくなるためだ。内製化することで顧客の業務手順に応じてカスタマイズするとともに、柔軟に対応することができる」

 --業界全体が人手不足で苦しんでいる

 「3PL事業は労働集約型産業で、人が財産だと思っている。若手を積極的に責任あるポジションに就けているほか、女性もドライバーを含めて数多く活躍している。人手不足解消策として、倉庫内の棚から商品をピックアップするロボットの導入も検討している」

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【プロフィル】箱守和之

 はこもり・かずゆき 鎌倉学園高卒。1970年松屋入社。74年京葉流通倉庫入社。常務取締役、専務取締役営業本部長を経て、2001年4月から現職。神奈川県出身。