水に浮くEV、タイで生産 日本のベンチャー 津波きっかけに開発 (1/2ページ)

FOMMがタイで生産に乗り出す電気自動車=6月、バンコク(共同)
FOMMがタイで生産に乗り出す電気自動車=6月、バンコク(共同)【拡大】

 独自の技術で水に浮く小型電気自動車(EV)を開発しているベンチャー企業のFOMM(川崎市)が、12月をめどにタイでの生産に乗り出す。日本の自動車メーカーが多数進出し、日本で開発したEVを現地生産しやすいため、タイ市場への参入を決めた。2011年に大規模な洪水被害に見舞われたタイでの需要を掘り起こしたい考えだ。

 現地で生産するのは4人乗りの小型EV。車体に合成樹脂を用い、部品の数も抑えて軽量化し、水に浮くことが可能になった。最高時速は80キロ。6時間のフル充電で約160キロ走行できる。

 FOMMは、鶴巻日出夫さんが13年2月に創業した。鶴巻さんは大手自動車メーカーでEVなどの開発を手掛けてきたが、水に浮くEVを世に出そうと独立を決意した。そのきっかけは、東日本大震災での津波被害だった。

 東北地方では、避難しようとした人たちが津波に巻き込まれ、多くの命が失われた。鶴巻さんは「高齢者や足が不自由な人の中には、自分の足で避難することができない人もいる。水に浮く車があれば、そのような人も助けられると思った」と話す。

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