エコカー戦略、トヨタは「全方位」対応 燃料電池車増産へ/販売半数を電動化 (2/2ページ)


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エンジン搭載車75%

 トヨタは昨年12月、EV開発を視野に車載電池の分野でパナソニックと提携。豊田章男社長は会見で、「当社は電動化のフルラインメーカーで優位性がある」と強調した。30年頃に世界販売台数の約半数を電動車にする方針を明らかにした。具体的には、電動車550万台以上を販売するとして、内訳はHVとPHVを合わせて450万台、EVとFCVを合わせて100万台に設定した。

 デロイトトーマツコンサルティングの試算では、HVを含め、エンジン搭載車は30年でも75%超を占める見通し。電動車の研究開発を進めながら、従来技術もおろそかにできないことを示す。他にも自動運転やコネクテッドカー(インターネットでつながる車)などにも経営資源を割かなければならず、トヨタの設備投資と研究開発の費用は合わせて年2兆円超と巨額だ。

 トヨタはマツダとEVの基幹技術を開発する合弁会社を設立し、スズキやSUBARU(スバル)もこれに参加。競争する各社が分野によっては協調し、投じる経営資源を抑える-。こうした動きは今後も活発化しそうだ。