【株式ニューカマー】プロジェクト管理支援で事業の成長促す


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 □マネジメントソリューションズ・高橋信也社長

 マネジメントソリューションズは、企業のプロジェクト管理コンサルティングを手掛けている。企業内で進行する複数のプロジェクトの進捗(しんちょく)やリスクを管理し、調整することで、現場レベルで業務を支援する「プロジェクト・マネジメント・オフィス」(PMO)事業に特化しているのが特徴だ。7月23日、東証マザーズ市場に新規上場した高橋信也社長に、今後の事業展望などを聞いた。

 --詳しい事業内容は

 「多くの企業で、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)によるビジネス環境の激変が起きている中で、組織や業務の変革、IT化投資に取り組む必要性が高まっている。こうしたさまざまなプロジェクトに対して、PMOに特化した支援をしている」

 --他のコンサルティング会社との違いは

 「システム開発といった一部の業務支援だけを行って終わりというのが一般的だが、当社は大きく異なる。PMOは、日本ではなじみがないが、米国では大企業の9割以上で採用されて普及している。個々の会社の大きなプロジェクトに直接人材を派遣し、マネジメントを支援して事業の成長を促している」

 --これまでの実績は

 「東証1部上場企業70社超と直接取引し、400以上のプロジェクトを支援してきた。そうした中でノウハウが蓄積されて、幅広い顧客層から支援依頼を受けている。PMOスタッフは独自に採用して育成し、現在150人以上が在籍している」

 --業績は

 「直近の3年で採用を加速させて人材を育成するとともに、売上高と経常利益の急成長を実現している。2018年10月期の売上高は前期比8.5%増の27億4100万円、経常利益は同29.5%増の2億4500万円を見込んでいる」

 --PMOの市場規模はどう見込んでいるのか

 「ITサービス市場に関して独自に推計したところ、市場規模は1400億円以上とみている。企業ではプロジェクトが急増しているものの、マネジメントがうまくいかずPMO人材が不足していることが事業への追い風と考えている。当社のPMOサービスは、IT以外の人事制度など組織の問題や新規投資などの領域もカバーしているので、市場規模はさらに大きくなる」

 --発注元はどういった業種が多いのか

 「最近は自動車業界が非常に増えている。これまでモノづくりだけを担ってきた業界だが、自動運転や電気自動車(EV)化で、新たにAIやIoTなどを合わせたプロジェクトを運営しなければならない」

 --中長期的な展望は

 「ブランドを高めて、より幅広い顧客を獲得する。今回の上場も市場の信用を得て、ブランド力を強化することが目的だ。海外へも展開する。現在は台湾に子会社があるが、中国に進出したい。コンサルティング事業を軸にして、毎年、売上高を数十%ずつ成長させたい」

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【プロフィル】高橋信也

 たかはし・しんや 上智大経営卒。1996年アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。ソニーグローバルソリューションズなどを経て、2005年マネジメントソリューションズを設立し、現職。45歳。福岡県出身。

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【会社概要】マネジメントソリューションズ

 ▽本社=東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウンタワー23階

 ▽設立=2005年7月

 ▽資本金=5億4290万円

 ▽従業員=177人(2018年8月末時点)

 ▽売上高=27億4100万円(18年10月期予想)

 ▽事業内容=マネジメントコンサルティング、プロジェクトマネジメント実行支援