アマゾンジャパンは、1冊から必要に応じて印刷・製本できる少数出版システムを千葉県市川市の配送センターに整備し、12日にメディア向けに初めて公開した。購入者から注文があると印刷を開始し、最短でその日に本が届く仕組み。個人による自費出版が国内外で増加傾向にあり、絶版本の復刻などと合わせて少数出版の需要が高まっているのに対応した。
少数印刷システムは、アマゾンのインターネット通販サイトで、少数出版での購入を選択して決済すると、本のデータが印刷機に送られ、印刷が始まる。1冊当たり十数分で製本が終了する。国内で手に入りにくい洋書や絶版本など300万点以上が用意されている。印刷費用は割高になるが、出版社は在庫リスクを抱えることなく、廃棄費用も削減できる利点がある。
アマゾンの少数出版は、国内では2010年に開始。洋書の出版が中心だったが、自費出版の増加で17年の売上高は12年比で20倍に増加、18年も前年比51%増で推移しているという。