--自社製品のホイッスルの反響は
「正直、これだけ反響があるとは思わなかった。何よりうれしいのは、従業員がみんな明るく、元気になったことだ。下請けの町工場が、自社製品をつくったというのも自信につながっていると思う。社内が明るくなると、本業の仕事にもいい影響が出てくる。実際に、大手楽器メーカーの工場撤退直後と比べると、だいぶ盛り返してきている」
--ものづくりの醍醐味(だいごみ)は
「やはり完成したときのうれしさは何事にも変えられない。いろいろな課題にぶち当たり、失敗を重ねているとモチベーションが下がってしまう人も多いと思うが、自分は逆にやる気が出るタイプなので決して諦めなかった。試行錯誤の中に成功のヒントが隠されていることもあって、それを見つけ出すのも、ものづくりの醍醐味の一つだ」
--社長から代替わりを打診されたことは
「父親も70歳を超え、『そろそろどうか』という話はもらっている。ただ、今はホイッスルが完成し、販売も好調という状況で、別の新製品開発の可能性も模索している。そんな中で、社長を引き受けると、経営を第一に考えないといけなくなる。父親も幸い元気なので、もう少し自由な立場で仕事ができればと思っている」
◇
【プロフィル】小柴一樹
こしば・かずき 大学卒業後、印刷やアパレルの仕事を経て、2008年、29歳で家業である小柴製作所に入社。15年から取締役。39歳。埼玉県出身。